かるた初心者の為の練習法
~試合を取ってみよう3~
3-4.決まり字変化を理解しよう
100枚の札それぞれに決まり字がある。しかし、試合中にこの決まり字は変化し、より短くなる。この仕組みを理解することでより早い段階で出札を1枚に特定し取ることが出来る。
試合中に決まり字が変化する原因には「札が読まれることにより変化する決まり字」と「陣にある札により変化する決まり字」の2つがあるが、単に「決まり字変化」と言うと前者をさす場合が多い。後者も取りに影響する変化のためここで解説する。
※このページでは札の表記は読みの音で表記しています。
3-4-1.札が読まれることにより変化する決まり字
決まり字が変わる理由は「試合中に無作為に選ばれて読まれる100枚の読み札は2回読まれることはない」からである。
図1に例を示す。「う」から始まる札は「うか」「うら」の2枚ある。場に「うら」だけがあるとする。先に「うか」が読まれると、次に「う」と読まれると「うか」が読まれることかはないので「うら」が読まれると分かることになる。つまり、「うか」が読まれた段階で「うら」の決まり字は「う」の1字決まりに変化した。これを決まり字変化という。1字決まりに変化した「うら」は「う(ら)」と表記されることが多い。
図1 決まり字変化の例1(う札)
では、少し複雑にして「い」札を考えてみましょう。
「いに」「いまこ」「いまわ」の三枚あります。
「いまこ」が場にある場合を考えてみましょう。
「いまわ」→「いに」→「いまこ」の順に読まれたときを図2に示します。
「いまわ」が読まれると「いま(こ)」と2字決まりに変化します。
「いに」が読まれると「い(まこ)」と1字決まりに変化します。
図2 決まり字変化の例2(い札の例1)
一方で「いに」→「いまわ」→「いまこ」の順に読まれたときの例を図3に示します。
「いに」が読まれても「いまこ」のまま決まり字は変化しません。
「いまわ」が読まれると「い(まこ)」といきなり1字に決まり字が変化します。
このように同じ札でも読まれる順序により決まり字の変化の仕方が変わります。
図3 決まり字変化の例2(い札の例2)
各音ごとに同じように決まり字の変化を考えることが出来ますので、パターンを考えてみてください。
3-4-2.陣にある札により変化する決まり字
読まれる以外にも決まり字が変化したように見える場合がある。それは「出札がある陣の出札以外の札に触ってもお手つきにならない」ことによる。例えば、「うか」「うら」の2枚の札が同じ陣にある場合、「う」と読まれた時点で両方に触ってもお手つきとならないし、両方に触れば「うか」「うら」のどちらかの決まり字が読まれた時点で読みが成立するので取りが成立する。片方にしか触れていない場合は、もう一方に直接触れるか競技線外に押し出さなければ取りとならないので注意しなければならない。
このように出札を1枚に特定することはできないが、実質的にノーリスクで札に触れるので決まり字が変化しているように見える場合がある。注意しなければならないのは、「うか」「うら」のどちらかの札を送った場合だ。送ると違う陣にそれぞれの札があることになるので、決まり字は長くなったように見え、どちらも2字決まりとなる。
もう一つ注意すべき点がある。これは決まり字が変化したように見えるだけであり、出札1枚を特定できる決まり字は変化していない。つまり、他の組は長い決まり字で試合している。取った瞬間に発声するなどして他の組の試合を邪魔することは絶対に避けなければならない。
最終更新日:2018/06/17
執筆者:華郷(@ka_kyo)
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