かるた初心者の為の練習法
~試合を取ってみよう2~

3-2.暗記の方法を覚えよう
 札を分けて並べると15分の暗記時間が取られる。この間に場に有る50枚を覚える。その覚え方を説明していきます。
 まず、覚えるのは場にある50枚のみです。無い50枚は覚える必要はありません。無い札を覚える時間があったら取るために有る札をしっかり覚えましょう。

3-2-1.場にある札の整理の方法
札を覚えていく方法は主に3つの整理の方法があります。ここでは「むすめふさほせ法」「五十音順法」「段覚え法」と呼ぶことにします。
むすめふさほせ法
 むすめふさほせうつしもゆ・・・と1枚札から順番に16枚札(あ札)まで覚えていく方法です。1音目ごとに整理することができ、50枚に対して体系的な覚え方ができます。決まり字変化への対応も容易です。また、決まり字が短く狙い札になりやすい札が序盤に固まりやすいのも、むすめふさほせ法の特徴です。

五十音順法
 あいうおかきこ・・・とあ札から順番に覚えていく方法です。むすめふさほせ法と同じく1音目ごとに整理することができ、50枚に対して体系的な覚え方ができます。子音ごとに整理もできる利点もあります。一方であ札が最も最初に来ることが欠点です。

段覚え法
 段ごとに 1 枚ずつ何があるかを覚える方法です。順番まで覚えることもありますが、順番までは覚えないこともあります。メリットは段ごとに覚えるので場にある全ての札を見ることになり、覚え漏れがなくなることにあります。

3-2-2.暗記の手順
 暗記の手順は自陣は並べながら覚えて、段覚え法で相手陣を確認し、むすめふさほせ法を用いるのが良いです。自陣を並べた時に覚えきれなければ、むすめふさほせ法の時に定位置を確認するようにします。むすめふさほせ法の代わりに五十音順法を用いても構いませんが、むすめふさほせ法をお勧めします。むすめふさほせ法で1順した後は、暗記時間終了までむすめふさほせ法で周回します。

3-2-3.暗記の方法
札は取るために覚えなければならない。これは絶対です。華郷流暗記五カ条の第1条でも記しているが、「札の場所ではなく取り方を覚えるべし」である。
最もやってはいけない覚え方は

×誤り「○段の外から△枚目に□の札がある」

である。適切な覚え方は

○正解「□と読まれたら~~のように手を出して札を触る(払う)

である。このように場所を覚えるのではなく取ることを前提とした暗記をしなければならない。
 覚え方の例を示す。図1に示すような場合を考える。


図1 覚え方の例

 この9枚を覚えるとき、「む札」「い札」「あ札」の3つのグループに分類する。図2のむ札では“む”と読まれたら真っ直ぐ手を出して触るという経路がイメージされている。この際、札を取る(払う)イメージしておくことが大事である。
 図3のい札では“い”で「いに」のに手を出して、“に”と“ま”を聞き分けてと言う経路が示されている。この経路は必ずしもこのとおりである必要はないが自分が描く取りのイメージは明確に持っておく方がよい。
 図4のあ札はより複雑になっているが、動き方を事前にイメージしておくという点は共通している。
 このような1音目ごとの暗記を50枚すべてについて行うと図5に示すように1音目ごとに整理して覚えている状態となる。このように取るために整理して覚えることが大事である。


図2 覚え方の例(む札)


図3 覚え方の例(い札)


図4 覚え方の例(あ札)


図4 覚え方の例(整理された状態)


3-2-4.2分前になったら
 暗記時間終了2分前になったら素振りをすることができる。この時間を利用して暗記したイメージを体にも染み込ませておこう。払いがしっかり自分の体に身についていれば、体を動かさなくても筋肉に力を入れる程度で、素振りとほぼ同等の効果を得ることができる。払いの習熟度向上と共に暗記での取りのイメージをインプットする練習をしていきましょう。この点は華郷流暗記五カ条の第2条でも記しているが、「頭だけではなく体でも覚えるべし」である。

最終更新日:2017/09/17
執筆者:華郷(@ka_kyo)

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